“100点より101点を” /金田 佳祐
僕は今LilioとNigellaの両店舗のオーナーという肩書きを持っています。
30歳でLilioを作り35歳でNigellaを作ってがむしゃらに走り続けてましたが、今掲げている目標は生涯現役の美容師であり続けること。
経営者であることも考えましたが、違和感がずっとあり『プレイヤーが1番』ということに気づいて
僕にとっての美容人生は『プレイヤー』で生涯美容師だと思ってます。
静岡県の浜松市で生まれ育った僕には、美容師の父がいます。その父も浜松市で美容室を経営しており幼少期の頃から父の美容室に髪を切りに行ってました。父のお店に行くといつも父の周りにはたくさんのスタッフがいて楽しそうに働いている。自然と僕は将来美容師になるんだって思ってました。
そんな父もたくさんのスタッフを育てる教育者でもあって家での僕の教育も凄まじく、少しでも曲がった事をしたり男らしくない事をすると叱られてましたね。笑
今思っても子供に求めるレベルが高かった気がします笑
父の教育もあって、駆け出しの美容師時代の時も当時働いてたサロンの中でも1番がむしゃらに頑張ってましたね。
休みの日には美容の大会に参加して周りとの実力の差を肌で感じたり、東京まで行って第一線で輝いている美容師の講習会に参加したりして志の高い美容師達を一緒に勉強をしたりして突っ走ってました。
一緒に働く同期達は営業が終わったらすぐ帰る人や何もせずにサロンに残っている人などいる中で日付が変わるまで練習して、その甲斐あって同期の誰よりも早くスタイリストデビューができたし、業績も良かったです。
ただ、ふと後ろを振り返ってみると誰も僕の後ろには誰も人ががついてこなかったんですよね。
きっと自分にも厳しすぎたし、人にも厳しすぎたんだと思います。
”100点より101点を”
今回のモデルさんは、スタイルも良く、顔のバランスも良くて美容師の手が入る前からすでに洗練されてる雰囲気がある方でした。
その一方、ヘアスタイルが伸びっぱなしのロングでヘアスタイルがモデルさんの洗練された雰囲気に負けてしまってる印象で顔立ちやスタイルに負けない様なヘアデザインが必要に感じました。
僕が思うLilio/Nigellaらしさとは今売れやすいスタイルだけを追うのではなく、お客さまの気分やライフスタイルに一歩踏み込んでデザインし、半歩先の笑顔をつくり出すことです。
その上でさらに求めるのは「らしさ」。誰が見てもこのヘアスタイルは「Lilio/Nigellaがつくった」とわかってもらえるようなサロンをめざしたいですね。今はSNSで全国の美容師さんがつくったスタイルを簡単に見られ、トレンドの移り変わりも目まぐるしい時代ですが……。情報に振り回されすぎず奇をてらうことなく、自分の思う「かわいい」を信じて発信し、それをいいと思ってくれる人をコツコツ増やしていけたら。
そんな、Lilio/Nigellaらしいやり方で自分自身を磨く――それが結果としてお店の活力につながると信じています。
自分を変えたいと思いながら、壊したくない部分もある。そしてまわりから「こんなふうに見られたいな」という思いもある。お客さまとのやりとりの中で、いろいろな思いの中から答えが見つかるのが美容師をやっている醍醐味のひとつです。正解は、あるようでない。でもお互いが満足する結果はきっとある。
だから僕はいつでも‘100点より101点’を目指して常にお客様の言葉にできない心の声をヘアスタイルという形で
表現したいと思ってます。